北九州市立大学 中澤研究室ホームページ

共培養スフェロイド

 我々が開発した「マイクロウェルチップ」は、細胞を播種するだけで均質なスフェロイドを簡単に形成することができます。このため、2種類以上の細胞を混合播種して共培養スフェロイドを形成することや形成されたスフェロイドに異なる細胞を播種して段階的に共培養化することも可能です。例えば、肝細胞と線維芽細胞から形成された共培養スフェロイドでは、内部に肝細胞、外側に線維芽細胞が分布する、また、肝細胞と血管内皮細胞から形成された共培養スフェロイドでは、内部に血管内皮細胞が侵入することを見出しています。この技術を利用して、例えば血管網を有するスフェロイドの構築など、高次構造スフェロイドを形成させる研究を進めています。

マクロ組織体の構築技術

 再生医療技術において、移植の際の細胞生着性の向上や細胞分散の防止、さらには細胞そのものの機能性や安定性を向上させる工夫として、培養細胞を用いてある程度の組織構造体を構築する技術の開発が活発に行われています。その代表例は「細胞シート」であり、組織様構造体の構築は再生医療技術の重要な課題の一つといえます。
 我々が開発した「マイクロウェルチップ」培養の利点は、均質なスフェロイドを大量形成できることに加え、形成させたスフェロイドを低侵襲かつ簡便に回収できることです。そこで回収したスフェロイドを微細スキャフォールドに播種し、スフェロイド同士を融合化させることによって、より大きなマクロ組織体を構築する技術を確立しています。現在、この技術を再生医療技術へと展開すべく研究を進めています。


 
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