スフェロイドアレイ
スフェロイドとは、細胞同士が集合・凝集化した球状の細胞集合体のことをいいます。スフェロイド内部には、生体類似構造が再構築されており、一般的に利用されている二次元単層培養法よりも高機能発現を長期的に維持できることが知られています。我々は、微細加工技術とマイクロコンタクトプリンティング技術を利用して、均質なスフェロイドを基板上に規則的に配列できる「スフェロイドアレイ」を開発しました。この技術は、様々な細胞において容易にスフェロイドを形成・アレイ化できる汎用的な技術です。現在、細胞アッセイにおける新しい評価ツールとしての展開を進めています。
スフェロイドアレイ化デバイス
スフェロイドをアレイ化した培養チャンバーに、マイクロ流路、リザーバーなどを組み込んだ「スフェロイド培養デバイス」を開発しています。本デバイスでは、一つのチップ上で多条件パラレル処理を実現することにより、効率的な細胞応答能の評価を実現することを目指しています。
細胞機能センシング
スフェロイドアレイ化技術と光学的センシング技術を組み合せた細胞機能センシング法を開発しています。例えば、肝細胞内の薬物代謝酵素によって非蛍光物質が蛍光物質に変換される原理を利用し、薬物代謝活性を定量化することに成功しています。スフェロイドは高機能発現を維持することができることから、長期的な薬物代謝活性の評価や酵素誘導の研究などに利用することができます。
