研究内容: 火災と生物生態工学

環境・生態系に配慮した消火剤開発に向けての基礎・応用研究

■水生生物を利用した生態毒性評価法の開発(2003-2019)
 近年、我々が使用する様々な化学物質が人間の健康のみならず、様々な影響を生物や生態系にあたえることが明らかになりつつあります。そのため、現在、それら化学物質のリスク評価が重要視されています。
北九州市においては、緊密な産学官の連携によって多様な消防資機材の開発が行われていますが、中でも、石けん成分を主成分とした環境配慮型泡消火剤の開発は、国内外の事例と比較して、先駆的な環境問題への取り組みであるといえます。
消火戦術における環境への配慮とは、単純化すると、生態系への配慮とほぼ同義であるとも言えます。そして生態系に対する配慮とは、生態系を構成する様々な生物への配慮と捉えなおすことができます。
この生態系を構成する植物や微生物に対する影響を正しく評価することによって、はじめて既存の消火薬剤や新規に開発される消火薬剤の環境負荷について議論することが可能になるといえます。
以下の解説資料では、生物に対する影響評価をどのように行うべきか、またその結果どのような知見が得られたのかについて、用語の説明とともに、事例を交えた解説をおこなっています。

解説・生態系を構成する生物への影響に配慮した消火剤の開発(「環境と消防」第6巻第1号:13-23)

本研究室では、北九州市立大学・災害対策技術研究センターが主催する全国の消防職員の方を対象とした「石けん系消火剤に関する研修」に参画しています。 北九州市消防局および消防関係の企業と連携し、環境に優しい石けん系消火剤の科学的側面と関連機器使用のノウハウなどについて、無料での一日研修です。
参照:災害対策技術研究センター「石けん系消火剤に関する研修」

資料1: 2019年9月「石けん系消火剤に関する研修」講義資料)「消火剤と環境毒性」

資料2: 2019年2月「石けん系消火剤に関する研修」講義での使用ビデオ)
「海産性魚類(アジ)を対象とした界面活性剤の毒性評価実験事例(2倍速再生)」




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